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あさひ学園便り

あさひ学園に通う子どもたちの様子

発行:
第454号    2024年6月1日
著者:
あさひ学園校長 西 克夫

  今年度も2か月が経ち、子どもたちは少しずつ学校生活にも慣れ、意欲的に活動をする姿が見られます。 私はその様子を見るため、また成長を感じるため、授業日には多くの学級・校内を見て回っています。 できるだけ音をたてずにそっと教室のドアから入り、あまり邪魔にならないように、そして滞在は長くならないように意識しています。しかし、つい子どもたちの学ぶ姿に引き込まれ、楽しくなって長居をすることもあります。どのクラスでも子どもたち同士で友達へアドバイスをしたり、友達のいいところを伝えていたり、それぞれの考えを共有し、認めた上でさらに自分の考えを付け足しているとき、そんな風にお互いに学び合っている姿を見た時には、ついついずっと様子を見てしまいます。また、先生の話を集中して聞いている姿や仲間に温かく接している姿をみると、その真剣さや優しさが伝ってきて、しばらくその様子を観察しています。

 

 最近見た授業から、印象に残った場面をいくつか挙げます。

 

<小学部 低学年 朝読書の時間>

「消防自動車ジプタ」という絵本を、先生が読み聞かせをしています。子どもたちは静かに聞いています。そして、話の内容にどんどんと引き込まれていく様子がみられました。途中、遅れて教室にきた子どもがいましたが、皆が集中するその雰囲気を察して、そっと静かに自然に輪の中に入っていきました。読み聞かせ後、先生が話の内容について子どもたちに質問すると、たくさんの手があがり意見を述べていました。

 

<小学部 低学年 国語>

「てんてんのつくことば」という単元で、先生が文を読み上げながらわざと濁点『“』を抜かして読んでいます。子どもたちは、その間違いを見つけようと、真剣な態度で聞き、我先にと間違いを指摘して大賑わいです。途中で少し集中力に欠ける子どももいましたが、先生はすかさず声をかけて参加を促していました。

 

<小学部 中学年 算数>

「3ケタの引き算」では、まずその計算方法について子どもたちで話し合い、その後指名された児童が前に出て説明します。その児童が説明を終えたら、次の発表者を指名するという流れでした。みんなが計算方法を修得したことを確認の後、黙々と計算問題に取り組む姿がみられました。

 

<小学部 中学年 社会>

宮城県について、調べた結果を子どもたちが大きな声で発表しています。先生は、プリントをプロジェクターで映しながら書きこんでいます。途中、プリントがずれてしまい見づらくなりました。すると、すぐにひとりの児童が先生の所にかけつけ、見やすくなるように手伝う姿がありました。先生も大きな声で、「ありがとう。助かったわ~」とその児童に伝え、協力し合う授業だと感じました。

 

<小学部 中学年 理科>

日向と日陰の温度の違いについて、「なぜ日向の方が暖かいのか」という問いに、各グループで意見を述べています。あるグループが「太陽の光が当たっているから」と結論を出していました。そこで、私が「なぜ太陽が関係するのか」と質問をしたら、「太陽の光は熱を作るはたらきをするから」と明確に答えました。

 

<小学部 高学年 国語>

二人一組で「あさひ学園の良い所・嫌な所」というテーマで、インタビューをしあっています。発表は、マイクを手に全員の前で、真剣な態度でした。多くあった意見は、良い面として「日本にいなくても、日本人の友達ができる」「日本の文化を学ぶことができる」、嫌な面として、「休み時間が少ない」「宿題や勉強することが多い」という意見が出ていました。二言語で学習することの実感だと思います。

 

<中学部 国語>

5 つのケータイ会社の、契約内容や特色についての一覧表が掲示されています。ロールプレイで1社のセールス担当の生徒が前に出て、自社の良い面をアピールしています。そのプレゼンが終わると聞いていた生徒たちから多くの質問がでて、担当者役の生徒が答えるという形です。その後、そのプレゼンを聞いた数名の生徒が、ケータイを買うために親を説得するメッセージを発表していました。笑いの中にも真剣な表情が垣間見える、メリハリのある授業でした。

 

<番外編>

学級懇談会の間、高等部と小1、2の子どもたちがいくつかのグループに分かれ、絵本の読み聞かせをしていました。絵本を読む高校生も、聞いている小学生も互いに真剣な表情です。昼休みには、その高校生と小学生が一緒に「鬼ごっこ」や「ダルマさんが転んだ」などをして、楽しく遊ぶ姿が見られました。

 

 今後もあさひ学園の子どもたちの活動を観察し、その様子をできる限りお伝えしていきたいと思います。

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