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あさひ学園便り

「自立」と「共生」を目指して

発行:
第443号    2023年6月3日
著者:
あさひ学園校長 西 克夫

 私は学校教育の最終目標を、子ども一人一人の「自立」とし、教職員はそのための「自立する素地」を育むことを意識する必要があると考えています。ここでの自立とは、「転んでも自力で立ち直ることができる」という個の視点と、「仲間と協力しながら問題を解決していくことができる」「周りの人を支えていくことができる」という「共生する姿勢」の両面から捉えています。

 

 しかし、このアメリカにあり、週一回しか登校しないあさひ学園に、それをそのまま適用していいものか悩んでいました。そこで、今一度、あさひ学園の教育目標に注目してみました。学校は、教育目標(ゴール)を目指して、チーム一丸となって取り組んでいくのは当然のことです。あさひ学園の教育目標は、

 

国際社会に生きる日本人としてのアイデンティティを培い,知性と徳性を備え心身ともに健康で,調和のとれた人間性豊かな子どもの育成を図る。」です。

 

 ここでいう「国際社会に生きる日本人としてのアイデンティティ」とはいったい何なのでしょうか。「世界の中での日本人としての意識」 「世界の一員としての意識」などを持つことが重要な要素であるように思いますが、それにはまずは「自己の確立」(自立)が前提になるはずです。そして、この教育目標にある、「知性・徳性・心身ともに健康」とは何なのか?これも、疑問に思いましたが、その答えは「目指す子ども像」に書かれていました。

 

  • 自ら考え,学び合う子 (知)
  • 出会いを大切にし,思いやりのある子(徳
  • 健康で,がんばりぬく子(体

 

 この 3 つの知・徳・体がバランスよく身についた上で、「自分という人間性(長所・短所、できること・できないこと、好きなこと・嫌いなこと、得意・不得意、個性)」を理解、それを受け入れると同時に、相手に対しても、そういった得手不得手や個性があるということを本質的に理解して相手を尊重する(馬鹿にしない)、そんな大人に育ってほしいという願いが込められていると受け止めました。

 

 そのために、学校として家庭と連携した教育活動を充実させ、帰属意識が育つようにすること、また 「自立」に直結する自己表現力を育むため、子どもが自分で考え、 自分の考えをもち、それを自分の言葉で表現できる学習活動を展開する必要性を強く感じています。

 

 ぜひ、「自立」と「共生」をキーワードに、教職員と保護者・関係者が同じ視点で子どもと向き合っていけるように期待します。

 

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