あさひ学園 - Asahi Gakuen文科省・外務省支援
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あさひ学園便り

あさひ学園創立50周年にちなんで

発行:
第402号    2019年9月11日
著者:
あさひ学園校長 小川 雅弘

 車を運転しているとあちこちでスクールバスが見られるようになりました。学区によってはすでに新しい学年・学期がスタートしているところもあると聞いています。あさひ学園でもいよいよ今日から2学期がスタートします。長い夏休みの間,児童生徒の皆さんは充実した夏休みを過ごすことができたでしょうか。

 

 さて,今日は1学期の終業式でサンゲーブル校の児童生徒に話したことを紹介したいと思います。あさひ学園ができたのは1969年のことでした。実はその年は人類史上とても大きな出来事があった年でもあります。皆さんはご存じでしょうか。私はそのとき小学6年生だったと思いますが,テレビの中継をかじりついて見ていたのをはっきりと覚えています。そうです。アポロ11号の月面着陸です。ちょうどあさひ学園の一学期終業式のあった7月20日(50年前)に人類が初めて月という地球以外の天体にたどり着いて,その地表に足を下ろしたのです。ですから,終業式にこのことを話さずにはおれないと思っておりました。

 

 海外のことが衛星中継によって日本に伝えられるようになってから数年のうちに,宇宙からの映像(月の上で作業をしている様子など)が茶の間に届いてきました。それは三重県の片田舎の漁村に住む少年であった私にとってはとても衝撃的なことでした。現在,イーロンマスク率いるスペースXなどが,宇宙事業を進め,月への旅行を目指していますが,まだ実現できていません。そのように大変なことをアメリカ合衆国は50年も前に実現していたのです。もちろん,当時はスマホなんてありませんし,個人がコンピュータを使うといった時代ではありませんでした。当時のコンピュータの計算能力は今のスマホにも劣っていたらしいですが,そのような状況下で人類を月に送り込んだのです。私は子供心に「アメリカ合衆国という国はなんてすごい国なのだ」と感じました。そして月面に初めて足を降ろしたアームストロング船長が「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが,人類にとっては偉大な飛躍である。(That’s one small step for [a] man, one giant leap for mankind.)」と語った言葉を知り,まさしくその通りだなと感じました。リンカーン大統領やキング牧師などの有名な演説や言葉がありますが,私にとっては最初に覚えたアメリカ人の言葉となりました。アポロ計画以降,スペースシャトル計画,国際宇宙ステーションの開発等々ありましたが,私にとっては月面着陸が最も印象的な宇宙開発の出来事でした。子供たちには,そのような宇宙開発の歴史があり,7月20日がとても意味ある記念日であること,そして君たちはそのような優れた技術,高い理想にあふれたアメリカ合衆国で育っているのだから,その子孫として自信を持って自分の夢を実現するよう頑張ってほしいといった内容を話しました。あさひ学園はまさにアメリカの宇宙開発の真っ只中で始まりました。50年後には,あさひ学園は,そしてアメリカの宇宙事業はどのような発展を遂げているでしょうか。とても楽しみですね。

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