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あさひ学園便り

現地校を訪問して

発行:
第374号    2017年2月4日
著者:
あさひ学園校長 大内 富夫

 先日,トーランス学校区にある小学校を訪問させていただきました。その学校には,約40名の本校在籍の子供たちが通学しています。今回の訪問の目的は,本校で学ぶ子供たちが,現地校でどのような学校生活を送っているのかを視察するためでした。

 

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 校長先生と副校長先生が私たちを快く迎えてくださいました。学校経営についてのお話を聞かせていただいたあと,授業や休み時間の子供たちの様子を見学させていただきました。とても貴重な時間を過ごすことができました。

 

 日本とアメリカの学校文化に差異があることは理解していましたが,実際にそこで学んでいる子供たちの姿を通して,その違いを目の当たりにしたときには,少しの驚きが伴いました。

 

 例えば,教室にはICT機器が本当に使いやすく設置されており,先生方はごく自然に効果的に活用していました。子供たちも,鉛筆や定規を使うかのようにパソコンを利用した学習に取り組んでいました。

 

 生活や学習のきまりについては,秩序は保たれているものの,やや日本式とは異なることにため息をつかざるを得ませんでした。しかし,自由に質問したり自分の考えを発表したり,活気のある授業です。休み時間には,一部の子供たちはスナック菓子を口にし,友達と会話を楽しんでいました。

 

 ある教室に入ると,うつむいたままで何の活動もしていない一人の日本人の子供がいました。担任の先生に話を聞くと,一週間前に日本から来たばかりだそうです。私はその子に近づき,「〇〇君,大丈夫だよ。頑張ってね。」と,背中を右手でさすりながら声をかけました。すると,その子はうつむいたままでしたが,小さくうなづいてくれました。

 

 本校に通う多くの子供たちは,自分の意思とは関係無しにアメリカ生活が始まり,日本とアメリカの2つの文化を体験しています。そして,日本だけで暮らしていては手に入れることのできない素晴らしい「種」を心に宿しています。

 

 今回の訪問から,私たちは将来グローバル人材として活躍する子供たちの教育に,強く,直接的に関わっていることを再認識させられました。子供たちが,苦労しながら手に入れた素晴らしい「種」を,大きくのびのびと育てる事が私たちの使命です。そのためには,子供たちの内面にまで目を向けながら,今まで以上に学校と家庭の連携を密にすることが,重要であることを痛感させられました。

 

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