あさひ学園 - Asahi Gakuen文科省・外務省支援
ロサンゼルス補習授業校

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卒業生・同窓生便り

第五十二回 上村 カレン 亜椰 さん

上村カレン亜椰さん略歴
在籍サンタモニカ校 小学部1年−高等部卒業
(現地校) Venice High School
大学University of California, Irvine
B.A. Global Cultures, Digital Arts Minor
留学 イギリス University of Kent に一年間留学
現在Sony Corporation of America 勤務

「面白き事は良きことなり」

 アメリカで生まれ育ち、大学卒業後 Sony Corporation of America 入社、現在4年目のウェブデベロッパーとしてご活躍中の上村さんにお話を伺いました。

あさひ学園では、あなたはどんな生徒でしたか?

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<ナレーター役 >

 あさひ学園に通うのが大好きな生徒でした。授業中も積極的に手を挙げるようにしたり、自分から進んで教科書の音読をしたりしていました。宿題やテスト勉強が大変な時もありましたが、あまり苦に思わず取り組むようにしていました。勉強の両立が大変だった記憶も時にはありましたが、それよりも楽しかった思い出の方が圧倒的に多いです。現地校の他にあさひ学園に通い高等部まで学べたことにより、とても貴重な体験ができたなと今でも思います。中学までは宿題が多い印象でしたが、高等部からは宿題量も減り、とても楽しく過ごしました。辞めたいと思ったことは、一度もありませんでした。

あさひ学園の生活で、どんなことが楽しかったですか?

 現地校では体験できないことが、あさひ学園にはたくさんありました。毎週友達と会うこと、お弁当の時間、図書室で本を借りること、運動会、ベークセール、ブックセール、高等部の百人一首大会と弁論大会、読書感想文、自由研究など、思い返せば楽しい思い出ばかりです。

運動会の思い出

 運動会には、毎年気合を入れて参加していました。小学生の時は参加種目を楽しみ、中学生からは係りの手伝い、そして高等部では応援団のプログラムなど、良い経験がたくさんできました。お昼には、家族や仲の良い友人達とそのご家族、皆でお弁当を一緒に囲むのもとても楽しみでした。

日常生活の思い出

 友達と過ごす休み時間やお弁当の時間もとても好きでした。なぞなぞ(言葉あそび)をしたり、ことわざを覚えたり、日本語の奥の深さを学びました。本を読むのも大好きだったので、図書室で新しい本を借りるのも毎週の楽しみでした。クラスに同じように本を読むのが大好きな友達がたくさんいたので、一緒に本を借りに行ったり、好きな本を薦めあったりしていました。時には、誰がより多くの本を次の週まで読み終えるか競い合ったりした記憶があります。 恩田陸さんや米澤穂信さんの作品はとても好きで、良く読んでいました。それと「ダレン・シャン」シリーズ※は特に夢中になり、全シリーズ読破しました。 文章を読むのが好きだったので、教科書の音読や読書感想文の宿題などは積極的に取り組んでいました。

 ※「ダレン・シャン」シリーズ:タイトルと同名のイギリス人作家による児童向けのファンタジー小説作品 。

忙しい現地校との生活や宿題とあさひ学園の宿題を、どのように調整されていたのですか?

 現地校の宿題は、毎日取り組んでいました。量も多かったので、日々こなすことが習慣となっていました。あさひ学園の宿題は、金曜日に集中してやっていました。大変だと思うことももちろんありましたが、これを乗り越えれば「明日は友達と会える」という気持ちを糧に頑張りました。

あさひ学園での経験は、今のあなたの生活に影響を与えましたか?

 日本語が上達したのはもちろんですが、日本の文学や歴史などを学び文化に触れ、それらをあさひ学園で出会った友人達と共有し、知識面においても経験面においても、今の私の人生を何倍にも豊かにしていると感じられます。色々な国や文化に興味を持ち訪れてみたいと思ったので、大学時代はイギリスに留学しました。その時に、ヨーロッパの国々を旅行する機会に恵まれ、たくさんの出会いがありました。異文化体験や人々との交流は、あさひ学園での経験が元となっています。

卒業後、同窓生とのお付き合いは続いていますか?

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<卒業式記念写真>

 高等部まで通いましたので、クラスメイトとは長年の付き合いです。もちろん今でも連絡を取り合っています。 LA にいる友人達とは休みの日に一緒にランチに行ったり、イベントに行ったりします。日本にいる友人達とは、訪日の際に泊まらせてもらったり、数人でプチ同窓会をしたりもしています。

UCアーバインで学ばれた理由と大学生活について教えてください。

 治安と環境がよかったですし、何より UCI のキャンパスツアーに行った時にキャンパスの雰囲気がとても明るく、良い印象を受けたので「ここで学びたい!」と思いました。最初は  Undecided / Undeclared で入学し、そこから専攻をじっくり2年間使って決めました。興味があることがたくさんあったので、哲学や犯罪心理学、歴史や美術史など、幅広くいろいろな分野の講義を受けた結果、それら全てを学べる楽しさを詰め込んだ Global Cultures を専攻することにしました。また、昔からデザインや映像にも興味があったので、Digital Arts を Minor にして勉強しました。親元を離れ、自立の一歩を踏み出した大学生活でした。大学では「楽しくいろいろな経験をしたい」という強い意志がありました。ですから、趣味である DIY やハリーポッターのサークルに参加したり、イベント行事で活動したり、自分のやりたいことを追及しました。授業やキャンパスの活動の一環で、映像編集にも力を入れていました。 そんな中で一番良かったのは、留学の機会があったことです。イギリスの University of Kent Canterbury に一年間留学し、イギリスの歴史や文化を学びました。UKC でもハリーポッターソサエティーに入ってアクティブに活動したり、またティーソサエティーでは紅茶について学びました。

どうしてイギリスを留学先に選んだのですか?

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<スコットランドにて>

 小学生の時、あさひ学園の図書室で借りた「ダレン・シャン」や「ハリーポッター」等の本が大好きで、それがイギリスに興味を持った最初のきっかけでした。大学で専攻した Global Cultures でヨーロッパの歴史や文化について深く学んだことにより、実際にイギリスに行ってみたくなり、留学しました。そして、そこで日本とアメリカ以外の国で暮らすという有意義な体験ができました。みなさんにも機会があればぜひ留学することをお勧めします。

現在のお仕事について、聞かせてください。

 エンターテイメント業界で、アニメーションやゲームに関わる Web Development やデザインの仕事をしています。会社のウェブ周りの管理やプログラミングまたメディアに載せるグラフィックデザイン等の作業を行い、日々励んでいます。会社の言語環境は英語ですが、日本発信のゲームやアニメに関わる仕事なので、日本語を使うことも多々あります。バイリンガルであることはとても有利です。アニメやゲームが大好きなので、好きなことを仕事にできるのをとても幸せなことだと感じています。

あなたの将来の夢は何ですか?

 Web Developer としての腕を更にあげていきたいと思っています。これからも、日本のアニメやゲームを世界に向けて発信する一端を担って行きたいです。 また、仕事だけではなく今後も休暇を利用し、世界各地を訪れるのも夢です。

あさひ学園の在校生に対して、メッセージをお願いします。

 「面白きことは良きことなり」これは私の好きな森見登美彦さんの作品「有頂天家族」に出てくる言葉です。今、あさひ学園に通うのが大変、現地校との両立が辛いと感じているのであれば、物事をどう受け止めどう感じるかはあなた次第です。大変なことや辛いことも楽しいことに変換してみてはどうですか。例えば、「宿題の壁の向こうにあさひのクラスメイト達との楽しい交流がある」土曜日まで何故学校に通わなければならないのかと思っているならば、「二つも学校に通えてラッキー!」と変換してみてください。続けることも一つの才能です。これは私の経験から言えることですが、あさひ学園で学んだことは将来必ず役に立ちます。以下もその作品から学んだことですが、悩みや苦しみとは二つに分類できます。一つは「どうでもよいこと」もう一つは「どうにもならないこと」です。どうでもよいことやどうにもならないことに悩んだり、苦しんだりする必要はないのかもしれません。それならば、何事も面白く受け止め前向きに過ごした方が人生良きことなり、です。


 上村さんが、物事に対して何事にも前向きで、ポジティブにとらえ、生活を楽しまれていらっしゃる様子が感じられるお話でした。在校生のみなさんも、ちょっと違ったか角度から物事を捉えてみてみませんか? 上村さんのように、今までとは異なった世界が見えてくるかもしれません。 今や、全世界中で愛読、愛好されているアニメ。その最先端の世界で、あなたの夢に向かい、より活躍されることを願っています。 お話と在校生へのメッセージをお寄せくださり、ありがとうございました。

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