高杉勇人さん略歴
2003年3月 あさひ学園サンゲーブル校中学部卒業
(現地校)Oakwood School, North Hollywood
2010年5月 マサチューセッツ州タフツ大学卒業
2010年9月 UCLA大学院入学
UCLAよりCERN研究所(欧州原子核研究機構-スイス)で研究に参加
2015年9月 UCLA大学院博士課程卒業
現在 ドイツ マックス・プランク研究所勤務
あさひ学園サンゲーブル校中学部を卒業、タフツ大学、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校大学院で学ばれ、昨年9月よりドイツで仕事を始められた高杉勇人さんにインタビューをさせていただきました。
僕はパサデナ校の小学部1年に入学し、(途中、学校の統合があり)2003年にサンゲーブル校中学部を卒業しました。
小学生の頃は、特に算数と理科が好きでした。国語は、学年が上がると共に漢字を覚えるのがだんだん難しく感じましたが、面白い話や本、小説などを読みました。小学部の頃に読んだ「ちいちゃんのかげおくり」や「一つの花」、中学部で学んだ「平家物語」の冒頭などは、今でも覚えています。特に「ちいちゃんのかげおくり」が好きでした。
苦労した授業は、社会でした。特に、日本政治を学んだ時はあまりよくわかりませんでしたし、僕には関係がないという気がしていました。それでも、できるだけ頑張って、多くのことを学びました。今考えれば、現地校でアメリカの政治を学んだ時も「面白くないな」と感じていました。
小学部を卒業し、「これからも頑張ろう!」と思って中学部に進みました。でも、中学部の一年生が終わる頃には、「やめてもいいかなか?」と考えたこともありました。現地校との両立は容易ではなかったので、忙しくなった時は、「続けようか?」「やめようか?」と何度も考えましたが、「やっぱり中学部の卒業まで頑張ろう!」と奮起し、続けました。
現地校とあさひ学園との宿題で忙しくなって、ちょっと現地校の成績が落ちてしまったこともありました。でも、あさひ学園で学んだおかげで(特に数学)、大学と大学院で数学と物理を専攻できたと思っています。数学と理科は、現地校よりあさひ学園の方が早く勉強できたので、あさひ学園で学ぶことは「予習」、現地校学ぶことは「復習」のような感じでした。
僕は、家でしっかりと勉強や復習をしていたので、現地校の数学と理科はとても簡単に感じました。今は、あの時にやめずに頑張ってよかったと思っています。
<友達と月食を観察中 (サンタモニカピア)>
一番楽しかったのは、毎年の運動会です。ラジオ体操やいろいろな競技など、全部楽しかったと記憶しています。中学生の頃には、友達とバンドもやっていました。その他、カラオケなどもやりました。卒業してからも、当時の友達とは、時々夕食に出かけたり、クリスマスやニューイヤーイブなどを一緒に過ごしたりもしています。
<Tuftsの研究装置>
僕は、マサチューセッツ州のタフツ大学(Tufts University)に行きました。タフツ大学以外にカリフォルニア州にある大学で学ぶチャンスもありましたが、それまで生活していたところとは違うところに行きたがったので、タフツ大学を選びました。
高校時代からずっと学びたいと考えていた物理と数学を専攻しました。大学では、物理の生徒のサークルだけではなく、「Japanese Culture Club* (JCC*)」にも参加し、同じ大学に留学している日本人学生や日本に対して興味がある人々にも会うことができました。祭りでは、「よさこいソーラン」を踊ったりもしました。踊りはちょっとバラバラでしたが、とっても楽しかった思い出です。ダンスの様子を見てみてください。
<CERNでの共同研究装置>
<CERNでCSCの作製中>
タフツ大学を卒業してからUCLAの大学院に進み、物理の研究をしました。更に、そこからスイスのジェネーブに移り、「CERN」(欧州原子核研究機構)で研究を続けました。そこでは、CMSの「Cathode Strip Chambers (CSCs)」を作り、テストをして、インストールをしていました。また、ウイークZボソンについても研究をしました。「CERN」は、世界中の国から参加している研究者たちが、同じ研究目的に向かって、努力と研究を続けているところです。Large Hadron Collider(大型ハドロン衝突型加速器)計画の「質量の起源のヒッグス粒子や超対称性粒子などの新粒子を発見し、物質の究極の内部構造を探索する」という課題に対して、異なる意見や研究方法も学ぶことができました。また、とても偉い研究者たちと一緒にがんばれる、とても魅力的な研究機関です。
詳しい研究内容は、サイトを見てください。
<研究所の仲間たちと>
スイスには、約3年半いました。その間、ジェネーブにいた僕と同じように研究をしていた学生たちとスイス以外にもパリ、ザルツブルグ、ハンブルグなとに旅行をしたり、アルプスにハイキングに出かけたり、毎週、トリビアゲームもして楽しみました。国連でインターンをしている学生たちとも旅行したりしましたが、スイス人とはあまり過ごす機会はなありませんでした。ほとんどが国連かCERN関係の人たちでしたが、もの凄く楽しかったです。
マックス・プランク研究所に勤め始めました。これからの仕事は、ヒッグス粒子についての研究です。まだ始めたばかりなので詳しくはわかりませんが、楽しみにしています。
物理学というのは、「この世界はどうしてこう見えるのか?」「どうやって動くのか?」を説明する研究なので、とても面白いと思います。また、単にそれらを説明するだけではなく、その研究をするためにコンピューターやインターネットなどの研究や発見も必要なので、その点もとても面白いと思います。
将来も、やはり現在しているものを続けたいと思っています。できれば、またCERNに戻りたいと思っていますが、それはまだまだ先のことです。マックス・プランクでする仕事の内容にもよります。
あさひ学園の皆さん、頑張ってください!難しいし、忙しいのに宿題などが多いと思うかもしれません。僕もそう思ったときもありましたが、あさひ学園で学び、日本語が話せるおかげで、多くの人や友達などにも会えました。その上、『日本語ができる』とCV(Curriculum Vitae:履歴書)にも書けます。
Don’t give up! It will be to your great advantage to be able to read, write, and speak both English AND Japanese, to be able to switch back and forth mid-paragraph, just like this. Most Americans can’t, while many (if not all!) Europeans can, and in the current climate, you need to take advantage of every opportunity you can.
今日は、いろいろと聞かせくださりありがとうございました。とても、難しい研究をされているのですね。でも、高杉さんが夢に向かって、より多くの経験をされ、生活を 楽しまれていることをとても強く感じます。在校生の皆さんにとっても、将来いろいろな道があることを知ることができる興味深いお話だったと思います。これからも、活躍されることをを願っています。またチャンスがありましたら、お話の続きを聞かせてください。
保護者の皆様。
本校はただいま安全管理強化中です。駐車場を含む
校舎・敷地内では保護者認証名札を必ず着用ください。
外部の方は職員室にて受付し、Visitor Passを着用ください。
保護者認証名札やVisitor Pass(スティッカー)を未着用の
方には、警備員・職員からお声がけします。