あさひ学園 - Asahi Gakuen文科省・外務省支援
ロサンゼルス補習授業校

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卒業生・同窓生便り

第二十回 神谷年人 さん

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卒業生・同窓生便りの第20回は、米国大手家庭用品会社アムウエイの販売組織の会社を運営する神谷年人さんからです。神谷さんがあさひに通われたのは、中学1年から高校卒業までの6年間で、米国に来た当初は、英語が話せない現地校での生活は辛いものであったようです。しかし、その後英語にも慣れ、また同じように苦労していているあさひの友人たちに支えられ、あさひの高等部と現地の高校の両方を卒業しました。大学は南カリフォルニア大学(USC)に進学、PCやインターネットが普及していたこともあり、インフォメーションシステムを専攻しました。大学在学中はJapan Clubの役員としても活躍しました。卒業後は2ヶ国語が話せるという有利性もあり日米の幾つかの会社からオファーをもらい、最終的にEDSというITアウトソーシングの会社に就職しました。現在はアムウエイの販売組織会社を運営し、世界各国を行き来しています。在校生へのメッセージとして、あさひで日本人としての価値観、アイデンティティを確立すること、及び多文化の中での異文化コミュニケーション能力を磨いてほしいことを強く伝えてきています。

日本人としてのアイデンティティー

ロスアンゼルスオリンピックの年、中学1年生の時に父親の仕事の関係でアメリカにやってきました。全く英語がしゃべれないも同然で日本人がほとんどいない現地校に入り、辛い毎日が続きました。友達もなかなかできずに、勉強も数学以外は遅れている状態で、現地校の勉強に加えて、土曜日あさひで勉強する事は本当に大変でした。当時は生徒のほとんどがスクールバスで通学していて朝早くて夕方も遅くなって丸1日つぶれてしまうこともあったり、スポーツとの両立も大変でした。何回もやめたいと親に相談することもありましたが、高校卒業まで6年間親や先生や友達に支えながらきちんとやり遂げることが出来ました。

大学はUSCに進学、コンピューターやインターネットが一般に普及し始めていましたので、私も自然にシステム系の仕事に就くために、ビジネスのマーケティングとインフォメーションシステムを専攻しました。大学在学中は、JAPAN CLUBの役員として神戸の震災に寄付するためのイベントを日系企業のスポンサーで開催したりしました。日系企業のキャリアーフォーラムなどにも参加, 日本での就職も含めて内定も何社からもらいましたが、EDSというITアウトソーシングの会社に就職、その後TOSHIBA USAに出向しました。ただし、この会社で2年ほど勤務しましたが, 日本語を使うことはほとんどありませんでした。しかし、将来的にはMBAを取得して日本語がしゃべれることが有利に働くであろうEDS子会社のコンサルティング会社に勤務しようと考えていました。就職活動をする際に日本の企業とアメリカの企業を両方視野に入れて考えることができたのは非常に有利なことだったと思います。大学時代も、アルバイトでレストラン、旅行社や、コンサルティング会社に勤務しましたが、2ヶ国語を話せることで、平成不況といわれた時代でも仕事を探すことに困ることはありませんでした。それもやはりあさひでの学生生活のおかげで日本語をきちんと使うことができたことだと思います。現在の仕事は全くITとは関係なくアムウェイという大手家庭用品の販売組織の会社運営をしています。販売組織の展開はアメリカ、日本だけではなく世界中に発展していて、日本とアメリカその他の国を行き来したりする上でも、2ヶ国語がきちんと使いこなせると言うことの重要さを痛感しています。私が日本に帰ることで、今あさひ学園に在学している息子やこれから進学する娘に旬な日本の情報を与えられることは、非常に重要であると思っています。さらに、今後はアメリカと日本の2重生活をすることによって見えてくるビジネスチャンスをもっと形にしていけるように動いています。

私があさひ学園での6年間を通して得られたものは単に高卒の資格や、日本語でのコミュニケーション能力や、日本と同じカリキュラムでの教育ではありません。もちろんこれらのものも非常に重要です。歴史などはアメリカと日本の双方から学ぶことによって大きな隔たりがあることを感じられると思いますし、アメリカよりはるかに進んだ高校レベルの数学はとても役にたちました。しかし、私があさひ学園を通して学んだ一番大事なものは『日本人』としての価値観、アイデンティティーです。単に勉強だけであれば他にもある日系の塾で学ぶことができたと思います。しかし、南カリフォルニアで唯一日本の学校として機能しているのはあさひ学園だけだと思います。移民の国アメリカで少年時代を過ごしたことによって、アメリカやメキシコをはじめ色々な国の人と知り合い文化に触れました。そこで一番強く実感したことは色々な人種が混じる中で日本人としてのアイデンティティーを保つことの大切さです。日本人とだ け一緒にいてアメリカ人を無視していると逆にアメリカ人から『自分の国の人とだけ固まって感じ悪い』と思われてしまいます。ですが、変にアメリカ人のまねをして、やたらフレンドリーにしてみても薄っぺらな関係しか築くことができないので意味がありません。日本人としてのアイデンティティーと自信をしっかり持って、堂々と対等に関係を築くべきだと思います。そのためにはやはり日本人としての土台がしっかりと固める必要があり、私の中ではあさひ学園の存在が非常に重要だったと思います。あさひ学園は幼稚園から高等部まであり単なる学校ではなく一つの大きな日本人コミュニティーを形成しています。そして高等部を卒業するということは、今後の人生を左右する一番大事な時期を日本人コミュニティーの一部として過ごすということで、しっかりした日本人としての考え方が見につくのではないかと思います。

これから世界情勢としては、さらに国際化が進み、日本でもアメリカでも2ヶ国語、3ヶ国語しゃべれるのは当たり前になってくると思います。今は英語が世界の共通語のようになり、フランス語の影響も強かったEUでさえ英語強くなってきていますが、この先中国の大国化もありどうなるかは分かりません。そうなってくると一番重要なのは言語能力ではなく文化的バランス感覚とでも言いましょうか、異文化コミュニケーションをしっかり取るための能力が要求されてくると思います。日本人としてのアイデンティティーをしっかり持ち、日本の独自の文化を大事にしてその上で英語やフランス語、スペイン語、中国語がしゃべれる人間が本当にリーダーとして世の中を引っ張って行くのではないでしょうか。今あさひ学園に在学している皆さん達の中からそんな人が現れるのを楽しみにしています。

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