あさひ学園 - Asahi Gakuen文科省・外務省支援
ロサンゼルス補習授業校

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卒業生・同窓生便り

第九回 藤田 幸さん

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卒業生・同窓生便りの第九回は、歯科医の藤田幸さんからです。あさひでは小学1年生から中学3年卒業するまで通われ、現地校とあさひの勉強を両立させる難しさを経験されたようです。しかし、日本語の勉強が、必ず将来に役に立つというご両親の言葉に励まされ、あさひでの生活を続けられました。中学卒業後、高校は東部の進学校に通われ、日本語とは縁のない生活を過ごしましたが、大学でUCバークレーに行った時は、日本語が使えることにより、日本から来た日本人留学生、アメリカ生まれの日系人学生との交流が深まったようです。大学卒業後、歯科医を目指してUCSFの歯学大学院に進まれ、現在はガーデナで歯科医を開業されています。仕事では日本人の患者さんも多く、あさひで日本語を学んだことが大変役に立っているようです。在校生の皆さんには、将来の夢を持って勉強することの大切さを伝えてきています。

私の思うこと

私は、日本人の両親のもとに、日系二世として、サンタ・モニカで生まれました。私の生まれた頃から、ウエスト、ロスアンゼルスは、日系の人達の、どちらかと言うと小さなコミュニティで、そこで、小学校を卒業するまで、育ちました。今は、歯科医をしていますが、この三十年間を振り返って見ても、私の小さかった頃、誰が、私の現在を予想することが出来たでしょうか? 同じように、これからの私の将来もどうなるか誰にも分かりません。でも、私は、自分の将来を明るく、希望に満ちて開いて行きたいと思っています。それは、自分自身に対するチャレンジだと思っています。そのためには、将来、自分がどうしたいかと言う構想を持ち、その実現に向かって、努力をしていかねばならないと思っています。言葉を変えれば、目的をしっかりと持つと言うことではないでしょうか。

あさひ学園には、小学一年生で、バージル校に入学しました。その頃は、アメリカ生まれの子供は、あさひに入るのが難しい時代でしたので、書類選考や、テストがあって、入れるかどうか、両親も私も、随分と心配したものです。二年生からは、サンタモニカ校に変り、中学三年生で卒業するまで、毎週土曜日を楽しく過ごしました。でも、現地校と日本語学校の両方で勉強する事は、私たちにとっては、かなり厳しい生活でした。アメリカンスクールの友達が遊んでいる時に遊べないなど、我慢しなければならないこともたくさんありました。でも、私の両親は、今、日本語を学んでおくことが、必ず将来役に立つと言う考えを持っていましたし、あさひ学園という得がたい学校が、身近にあるので、そこで、勉強をするように入学を決めたのです。しかし、特に、小学校の頃は、土曜日がくるのがとても楽しみでした。日本語で色んなことを覚えて行くのも面白いと思っていました。先生たちは優しく、お友達もたくさん出来ました。 毎年、運動会の前の晩は、楽しみで、あまりよく眠れないほどでした。私は、走るのはあまり得意ではありませんでしたが、障害物競走で、一等になった時は、ほんとに嬉しかったです。

中学三年生の卒業を目の前にした頃、私に一つのエキサイティングなチャンスが訪れました。それは、東部、ニューハンプシャーにある進学校、フィリップス・エクセター・アカデミーに入学が許可されたことです。私は、“行ってみたい“ と、思いました。父や母も、折角の機会を逃しては行けない、行って頑張りなさい、と言ってくれたので、高校から、家を離れることになりました。これは、私が自分の将来を自分で決める最初の事でした。アメリカ大陸の西の端から東の端まで行き、両親のいる家を離れる事は、中学三年の私には、どうなることかと、不安に悩まされることもしばしばでした。今までとは、全く違う環境に入り、この三年間は、日本語とは、縁のない生活を送りました。ところが、大学生になって、UC バークレーの寮に入って驚きました。なんとアジア系の学生が多くいることでしょう。日本から来ている日本人、又、私のようにアメリカ生まれで、家庭では日本語を話す人達、そのような仲間と本当に楽しい大学生活を送りました。なかでも、皆と、カラオケに行ったり、サンクスギビングで、おでんを食べたりしたことは忘れる事が出来ません。そんな時、日本語が話せ、日本のことも少しは理解できるのは、やはり家で日本語を話す習慣があったことや、あさひで勉強したり、友達と遊んだりした事が、どんなに役に立っているかがよく分かりました。

大学を卒業した後、いろいろ考えましたが、なにかプロフェッショナルな技術を身につけたいと思い、歯医者の道を選びました。UCSF で、それから4年間、また勉強を続けました。

現在、私は、日本人の多いガーデナで歯の診療所を開業しています。丁度、開業して二年目です。私は、この職業を選んでほんとに良かったと思っています。日本語で治療の仕方や歯の健康について説明できますし、たくさんの日本人の方々とお知り合いにもなれて、たまに、私の日本語のことを「きれいな日本語」と褒めてくださったりすると、これも、ひとえにあさひ学園で勉強してきたお蔭と感謝をしています。仕事の上では、患者さんに素敵な笑顔を持っていただくことが私の願っていることです。私のデシジョンや、治療によって、患者さんが、笑顔を見せて下さるとき、一緒になって嬉しくなってしまいます。

生まれてから、30年、やっと、自分の将来を展望することが出来るようになりました。小さい頃は、親や先生の指導の下で、言われたとおりをやっているので、自分のしていることが、将来どのように役にたつのか分からないことが、たくさんあります。でも、自分のことを自分で決めなければならなくなった時、小さい時から勉強を通じて身につけてきたことが、きっと、役に立つと思うのです。だから、あさひの皆さんには、夢をもって、楽しく勉強を続けていただきたいと思っています。

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