あさひ学園 - Asahi Gakuen

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あさひ学園便り

見える学力と見えない学力

発行:
第464号    2025年5月3日
著者:
あさひ学園校長 西 克夫

 学力には「見える学力」(テストなど点数にして評価できる力)と「見えない学力」(客観的数値では測定できない能力)があり、前者を「認知能力」後者を「非認知能力」といっています。具体的には、「認知能力」が、 読み・書き・計算などの狭義の学力であるのに対して、「非認知能力」は、主体的に学習に取り組む態度など、向上心や共感性、忍耐力などが含まれます。どちらも学校・家庭のそれぞれで育てる必要がありますが、最近は特に「非認知能力」の重要性が叫ばれています。これは、 AI(人工知能) の急速な進歩による社会情勢や子どもを取り巻く環境が、大きく変わっていることが想定されています。現在、認知能力にあたる部分はAI の方が人間よりもはるかに速く多くの量を正確にこなすことができます。社会において、 AI と人間がどう付き合っていくのかが課題になっているのは周知のとおりです。よって、人間だからこそ求められる能力とは何かと考えたとき、それが「非認知能力」ではないかという考えに基づいているのではないでしょうか。私たちもこの「非認知能力」という「見えない学力」に改めて注目し、その育成方法について考えていく必要があります。

 

 今、学校では「非認知能力」である「主体的に学習に取り組む態度」を促進するために、子どもたちの学ぶ意欲を引き出し、探求心を育む工夫を試みています。以下にいくつかの具体的な方法を挙げます。


探求型の課題を設定:

子どもたちが自分で答えを見つける楽しさを感じられる課題を提示する。


選択肢を与える:

学ぶ内容や学び方について選択肢を提供し、自分で選んだことに責任を持つ環境を作る。


対話を大切にする:

「なぜ?」「どうして?」と問いかけ、考える力を伸ばす。


協働学習を取り入れる:

子どもたちがグループでアイデアを共有し、意見を交換し合いながら学ぶ経験を取り入れる。


振り返りを組み込む:

学びのプロセスを振り返る時間を設け、自分の成長や課題を自覚する。


失敗を恐れない環境作り:

失敗を学びの一部として受け入れ、試行錯誤を奨励する。


実生活と関連付ける:

学習内容を現実世界の問題や事例に結び付ける。

 

 あさひ学園でも、このようなアプローチを通じて、子どもたちが学びに対して意欲的な態度で、主体的に取り組めるように、サポートしていきたいと考えています。

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