あさひ学園便り

2025年を振り返って

発行:
第470号    2025年12月6日
著者:
あさひ学園校長 西 克夫

 

 今年もいよいよ師走を迎えました。この一年を振り返ると、私たちの周りではさまざまな出来事がありました。

 

 年の初めには地域を襲った大きな山火事があり、自然の厳しさを改めて思い知らされました。その一方で、復旧に尽力された方々の姿から、人と人とが支え合うことの大切さを学ぶ機会にもなりました。困難な状況でも前を向いて歩む姿勢は、子どもたちにとって大きな励ましとなったことでしょう。

 

 4月からは父母の会が任意制へと移行しました。参加の形はより自由になりましたが、それでも多くの保護者の皆様が積極的に関わり、子どもたちを温かく見守ってくださいました。教育は学校だけで成り立つものではなく、家庭や地域とつながることでより豊かになります。今年もそのことを強く感じる一年でした。

 

 10月には運動会が開催されました。準備の段階では不安もありましたが、教職員の支援のもと、園児・児童・生徒が協力して取り組み、当日は大変盛り上がり、無事に終えることができました。グラウンドに響いた声援、懸命に走る子どもたちの姿、勝敗を超えて互いを讃え合う笑顔から、学園の絆の強さを改めて感じることができました。

 

 11月には弁論大会が行われました。高等部の生徒たちは、それぞれの思いを堂々と語り、聴く人に深い印象を残しました。環境問題や社会のあり方、未来への希望など、テーマは幅広く、若者ならではの視点と情熱が込められていました。自分の考えを言葉にして伝える力は、これからの社会を生きる上で欠かせないものです。壇上に立つ生徒たちの姿から、未来を担う世代の頼もしさを感じました。

 

 学校外でも嬉しい話題がありました。ロサンゼルス・ドジャースが日本人三選手の活躍もあり二連覇を達成し、多くの人々に喜びと勇気を与えてくれました。スポーツには人々をひとつにする力があります。ドジャースの活躍は、あきらめずに挑戦を続けることの大切さを、改めて教えてくれたように思います。子どもたちにも、自分の夢に向かって挑戦し続けることを期待しています。

 

 こうして一年を振り返ると、困難も喜びもすべてが私たちの成長につながっていることに気づかされます。山火事から始まり、ドジャースの二連覇まで、それぞれの出来事は異なる場面で起こりましたが、共通しているのは「人と人とのつながりが力になる」ということです。支え合い、励まし合い、共に歩むことで、私たちは困難を乗り越え、喜びを分かち合うことができます。

 

 2025年も残りわずかとなりました。子どもたちには、この一年を振り返り、自分の歩みを見つめ直す時間を持ってほしいと思います。成功も失敗も、すべてが次の成長への糧です。そして新しい年に向けて、さらに大きな夢を描き、希望をもって生活してほしいと願っています。

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