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あさひ学園便り

海外で漢検・数検を受けるということ

発行:
第459号    2024年12月7日
著者:
あさひ学園校長 西 克夫

 あさひ学園では、希望すれば年に2回の漢字検定(漢検)を受けることができます。また、今年度から、算数数学検定(数検)も受検できるようになりました。10月に行われた両検定では多くの方が受検をし、先日その結果がでたところです。

 

 漢検は 日本語の習熟度を測る大切な指標であり、アメリカで生活する子どもたちにとって、今の自分に漢字などの日本語力がどの程度身に付いているのか、知ることができます。数検は、論理的思考力や問題解決能力を高めるための機会となり、数学の基礎から応用まで幅広く対応しており、グローバルな視点での学力評価にも繋がります。いずれにしても、これらの検定は日々の学習の成果を確認できる場であり、学習のモチベーションを一層高める助けとなります。また、検定の受検級を子ども自身が選択することで、自主性や自己決定の力を育む重要な機会にもなります。そして、検定を受ける「予定」を組み、それに向かって「努力」するという、計画性を学ぶことで学びの習慣が身につきます。さらに、その努力が「合格」に結びつくという成功体験ができれば、もっと上を目指そうという自信にもつながります。

 

 日本国内では、一定以上の級に合格することで、受験のときに加点されるなどの有利な点が、強調されています。しかし、それよりも自分で特定の級に照準を合わせ、その合格のために計画的に学習し、そしてクリアし達成感を味わうこと、あるいは不合格になって悔しい思いをして、次の機会に再チャレンジするなどの経験をすることに、意義があると考えます。つまり、単にその級の能力があると認められることよりも、成就感・満足感・悔しさに対する忍耐力・立ち上がろうとする強い精神力などの、否認知的能力が高められることの方が、将来的にはずっと価値があり、この力が学習だけではなくスポーツその他あらゆる分野で発揮されることになります。

 

 また、今回、この検定に保護者の方の受検も見られました。私は「学ばない(自らの学びを軽んじる)教師からは,学ぶ子どもは決して育たない。」と思っています。これは第二の担任である保護者にも同じことが言えます。(それ以上に影響が大きいかもしれません)教師、保護者が学び続けている限り、子どもも学び続け成長していくと信じています。そういう意味で、受検をしている親の背中を見ていた子どもは、その姿から大きな影響を受け、今後も学びに対して真摯な態度で臨み、検定などに挑戦し続けていくのではないでしょうか。

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