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あさひ学園便り

日本の学校教育が変わる?

発行:
第385号    2018年2月6日
著者:
あさひ学園校長 大内 富夫

 「校長先生,日本の学校教育が大きく変わると聞いたのですが!」「あさひは,どうなるんですか?」と,ある保護者が話しかけてこられました。それは,50周年記念ラッフルチケット販売のお手伝いをしているときのことです。今回は,このことについて,並びに本校の取り組みについて記述させていただきます。

 

 日本では,およそ10年毎に学校教育の学力観について見直しをし,学習指導要領というものが改訂されます。現在,2020年の改訂に向けて,日本国内のほとんどの学校が,既に取り組み始めています。では,何がどう変わるのでしょうか。

 

 今回の改訂により,学校現場は,はじめに「指導法が変わる」ありきではなく,改訂された「新しい学力観」を基盤として,子供たちの実態を十分に鑑み,指導法の改善に取り組まなければなりません。「新しい学力観」のキーワードは「アクティブ・ラーニング(主体的・協働的な学び)」です。このキーワードは,学校教育法(昭22・3・31)に回帰し,そこから生まれたようです。

 

第30条第2項

 

~,生涯にわたり学習する基盤が培われるように,①基礎的な知識及び技能を習得させるとと もに,これらを活用して課題を解決するために必要な②思考力,判断力,表現力その他の能力 をはぐくみ,③主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に~。

 

 ①,②の重要性は勿論のこと,特に③についての見直しからキーワードが生まれたものと思われます。今回の改訂の趣旨は,子供たちが「何を知っているか」だけではなく,「知っていることを使ってどのように社会・世界と関わり,より良い人生を送るか」という視点に立ち,学びに向かう力や人間性など情意・態度等に関わるものの全てを,いかに総合的にはぐくんでいくか,ということです。

 

 では,本校ではどのように取り組んでいくのか,ということに戻ります。実は,この改訂前から授業の見直し・工夫改善として,「『学び合い』の形態を積極的に取り入れた学習指導の推進」をミニマムデーの職員研修日を中心に実践的な研修を進めていました。現在も進行中です。

 

 内容は,週1回の補習授業校だからといって,大切なことをインプットするだけの授業に終始することは止めよう。なぜなら,子供たちは週1回の補習授業校で,休み時間や昼食時に友だちと過ごす時間をとても楽しみにしています。それなら,学びの場でも子供たちが交流しながら楽しく学び合える場を設定してあげよう,というものです。各教科において課題解決に向け,先ずは自分で考え自己解決を試み,次に友だちと交流し,学びを広く深くすることを目指した授業づくりです。

 

 また,その取り組みを検証するために,保護者対象の学習参観アンケートと教員自らの自己評価による二つの視点から分析をしています。2学期末の時点では,「学び合い」の場の設定は以前より多くなってきているが,その「学び合い」の場は子供たちが交流を通して,学びを深めるまでには至っていない,という分析結果でした。このことを踏まえ,来年度は「学び合い」の場の質を高める授業を目指して,より実践的で効果的な職員の研修を継続・深化させていきます。

 

 以上のように,本校は新しい学力観にたった授業を,既に展開していることをご報告いたします。

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