あさひ学園 - Asahi Gakuen文科省・外務省支援
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あさひ学園便り

あさひ学園で学んだことを将来に活かすために

発行:
第391号    2018年9月1日
著者:
あさひ学園校長 小川 雅弘

 現地校ではすでに新しい学年・学期がスタートしている学校区もあると聞いています。あさひ学園でもいよいよ今日から2学期がスタートします。長い夏休みの間,児童生徒の皆さんは充実した夏休みを過ごすことができたでしょうか。

 

 さて,今日は1学期の終業式でサンゲーブル校の児童生徒に話したことを紹介したいと思います。

 

 以前4月号で説明したと思いますが,2020年度には小学校で2021年度には中学校で新しい学習指導要領が完全実施となります。サンゲーブル校の児童生徒にもそのことを伝え,その中で「グローバル人材の育成」が一つの柱となっていることも説明しました。普段は現地校で英語で勉強し,土曜日はあさひ学園で日本語で勉強するという生活をこなしている君たちは,英語でしか勉強しない人たちに比べて大変有利であること,まさしく日本の教育が求めているグローバル人材として活躍する大人になることができること,あさひ学園を卒業した人たちの中には実際に世界各地で活躍している人が多いことを話しました。そして,あさひ学園に来た時には日本語を鍛えるために積極的に日本語を話す必要があること,日本語を鍛えるには今しかないこと(流行語になった林修さんの「今でしょ」という言葉を使いました!)を説明しました。小学校低学年の児童生徒には難しい話だったのかもしれませんが,みんな静かに集中して聞いてくれていたように思います。

 

 日本語を鍛えるには今(小中学生の頃)しかないと考えるのにはもちろん理由があります。すでに大学や研究所等で言語習得についての研究は行われていますが,先日行われた北米西海岸地区補習授業校連絡協議会の講演でも,講師の佐々信行先生(海外子女教育振興財団教育相談員)が子供の言語習得について同様のお話をされていました。講演の中身を少し紹介すると「4~8歳ごろまでは言語能力の基礎を作るころで,その間は使わなければその言語がどんどん消えてしまう。したがってその間に母語となる言語を使う環境を積極的に作り出さなくてはならない。そしてその言語(日本語)が定着すると9~12歳には学習言語として確立し,誇りや自覚を持たせていくことで学習でも伸びていく。」とのことでした。このことは,私たち教員も,そして保護者の方も子供たちと接する中で感じていることではないかと思います。

 

 もちろんあさひ学園でも,「学び合い」の授業を通して児童生徒が話し合ったり,文を書いたりする場面を積極的に増やしていく所存ですが,「それだけで十分であるか」と問われれば「そうではない」と答えるしかありません。やはり,ご家庭でも毎日日本語を使う,特に声に出して日本語を話す(音読も含む),ということが,日本語能力を保持し高めていくために不可欠であると考えます。現地校の宿題や部活動,あさひ学園の宿題等,子供たちもやらなくてはならないことがたくさんあることはわかっています。しかし,子供たちの将来を考えるならば,やはり日本語もきちんと高めていけることが大切です。「今でしょ」「今やらなきゃいけないでしょ」という気持ちを子供たちが実感できるよう,保護者の皆様にもご協力をお願いいたします。

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