学園生活
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先生の紹介 佐藤日出子

あさひ学園 サンタモニカ校 高等部 佐藤日出子

 会場が割れんばかりの拍手を受けて、生徒たちの弁論発表が終わります。ある生徒はまだ緊張の残る面持ちで、ある生徒は誇らし気な表情で観客に向かって一礼をしてステージを下りていきます。

 先頃行われた「第22回高等部弁論大会」では、高等部の生徒たちは皆、素晴らしい発表を行ってくれました。思い思いの題材から自分の主張したいことをまとめ、それを弁論という形で発表する高等部弁論大会は、あさひ学園に於ける日本語教育の集大成の一つであると思います。国語科担当として、また担任として高2の生徒たちが弁論発表の題材を考えるところから伴走をしてきた私ですら、改めて感動を覚えるほどの見事な発表が続きました。 

 ある生徒の主題は家族に起こった悲しい出来事を通してこれからの自分の生活を大切に過ごしていこうという決意であり、ある生徒はティーンエィジャーと呼ばれるこの多感な時期に自分を見つめ直すという主旨での発表でした。それぞれが弁論大会をきっかけに、自分自身と向き合います。自分を見つめ直した生徒たちの発表は、その一つ一つが瑞々しい個性にあふれ、多くのことを語りかけてくれます。

 自分の中の漠然とした感情を文章に表すのは大変な作業ですし、それを効果的な口頭表現へと変えていくのも簡単なことではありません。特に高等部の生徒は、現地校での活動や大学進学準備が忙しい時期でもあり、その大変な中で弁論大会の準備をしていくのは並大抵の苦労ではないでしょう。しかしその困難を乗り越えながら、高等部の生徒たちは弁論大会を一つの目標に努力を重ねます。

 日本とアメリカという二つの文化を持つあさひ学園の児童生徒の豊かな感性は、実に優れたものであると思います。その感性を、多くの生徒があさひ学園小学部からの学習を通して磨きあげてきます。高等部では生徒たちが中学部までに積み上げてきたものを、毎週の授業と日々の生活の中で日本語を通して「読み・書き・話し・聞き」さらに深めて「考える」、そして生徒たちの将来につながる日本語教育を目指します。その一つの里程標が「高等部弁論大会」です。

 弁論大会前週までは不安や緊張でいっぱいな生徒たちですが、前日まで何度も練習を繰り返し、大会当日での堂々とした発表でその実力を十二分に発揮してくれます。この弁論大会での経験を通して、生徒たちはまた大きく成長するのです。

 皆の力強い発表と発表後の充実感溢れる表情を見る度に、教員としてあさひ学園高等部の生徒に関わることができた幸せをかみしめました。素晴らしい生徒たちのおかげで、また私も多くのことを学ばせてもらっています。この感謝の気持ちを糧に、今後のあさひ学園高等部の発展のために微力ながらお手伝いさせていただければと願います。

 
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