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あさひ学園便り
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【第271号 2007年11月3日】

子どもにとってのよりよい教育環境をめざして

あさひ学園校長 秋山 浩一

昨年,日本では,約60年ぶりに教育界の憲法ともいうべき教育基本法が改正され,1年が経ちました。新教育基本法では,これまで掲げてきた「人格の完成」や「個人の尊厳」など普遍的な基本理念は継承しながら,新たに「公共の精神」の尊重,「豊かな人間性と創造性」や「伝統の継承」を規定し,新しい文化の創造を目指す教育を推進することが前文で謳われています。中でも特筆すべきは,第10・11条において,家庭教育や幼児期の教育の重要性が新たに規定されたことです。家庭はすべての教育の出発点であることや,幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な教育であること等が明示されました。

 子どもたちにとってのよりよい教育環境を考えた場合,3つの環境の大切さを挙げることができます。まず,1つ目は「家庭環境」の大切さです。子どもたちの生活時間の大半を過ごすのは家庭です。また,親子関係のあり方や家庭教育のあり方は,子どもたちの成長に最も大きな影響を与えます。2つ目は「学校環境」の大切さです。子どもたちにとって学校とは,積極的に学習に取り組むとともに,集団生活を通して様々なルールを学びながら,立派な大人への階段を着実に昇っていく場所でもあります。3つ目は「社会環境」の大切さです。子どもたちは,地域社会で育まれながら,社会性を身に付けていきます。日本では,昔に比べて地域社会の結びつきが希薄になり,子どもたちに社会性を培う機能を十分果たせなくなりつつあるとの指摘もなされています。

 さて,書物を読んでみると,子どもたちにとってのよりよい教育環境を実現するために有効な考え方を表す先人の言葉として,「ネイティブアメリカンの教え」が引用されていました。
1 批判ばかり受けて育った子は,非難ばかりします。
2 敵意にみちた中で育った子は,だれとでも戦います。
3 ひやかしを受けて育った子は,はにかみ屋になります。
4 ねたみを受けて育った子は,いつも悪いことをしているような気持ちになります。
5 公明正大な中で育った子は,正義心を持ちます。
6 励ましを受けて育った子は,自信を持ちます。
7 ほめられる中で育った子は,いつも感謝することを知ります。
8 心が寛大な人の中で育った子は,がまん強くなります。
9 仲間の愛の中で育った子は,世界に愛を見つけます。
10 人に認めてもらえる中で育った子は,自分が好きになります。
これらは,まさに「環境」が子どもを育てることを示した言葉の宝庫ではないでしょうか。
前述した3つの環境いずれにおいても,この「ネイティブアメリカンの教え」は有効です。子どもの性格,対人関係,物事の考え方や感じ方等,子どもが自立して生きていく時に,大きく影響するようなことばかりです。

  10番目の教えは,自尊感情を育成することの大切さについて語っています。周囲の人々の支援や手助けによって,集団の中で自分の存在が認められていることを実感した時,自尊感情が芽生え育ち,自分で自分のことを好きでいられるようになります。自尊感情が育った子どもは,周りに対して排他的ではなく,友好的な態度をとる子どもになります。「家庭環境」において,上記の10箇条をときどき思い出しながら,「わが家では…」と振り返ってみてはいかがでしょう。


 

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