お知らせ
あさひ学園便り
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【第268号 2007年6月2日】
家庭での日本語環境づくり
あさひ学園校長 秋山 浩一

数年前,当時海外勤務をしていた友人が,時折くれる便りの中で,次のようなことを伝えてきました。その友人は,奥様と小1・小3の2人の男のお子様を帯同しており,お子様2人は現地校に通いながら,週末には補習授業校にも通っていました。海外生活が1年程過ぎたころにもらった便りには「うちの子も,すっかり現地校にも慣れてきたよ。近頃は,兄弟喧嘩も英語でやっているよ。」と,ちょっぴり誇らしく綴られていました。それからさらに1年が過ぎたころ,再び連絡がありました。その手紙には,「最近,うちの子が英語ばかりしゃべるようになり,家でも日本語をほとんど使わなくなって困っている。」とありました。友人が住んでいた町は,日本人が少ない地域だったので,補習授業校の授業内容も教科書中心ではなく,むしろ,日本語を忘れないための勉強会程度の雰囲気だったようです。当然,彼のお子様を取り巻く言語環境は英語が中心で,現地校を中心とした生活は英語に囲まれたものでした。まして,年齢のあまり違わない兄弟というのは,接触する時間も長く,普段着の会話が交わされるだけに,かえって英語が浸透しやすい状況にあったわけです。この事例は,家庭での日本語環境づくりがいかに重要かということの証左と言えるのではないでしょうか。

さて,家庭での日本語環境はいかにして整えればよいのでしょうか。保護者の中には,お子様がせっかく覚えた英語なので大いに使わせて上達させたいとか,日本語の重要性は理解しているが,親は日本語の専門家ではないので何をどう教えれば良いのか分からない,等のご意見をお持ちの方もおられるかと思います。そこで,ご提案したいことは,家族の約束事として,ご家庭の玄関を一歩入ったら日本語で話すことを原則としてみてはいかがでしょうか。そこでは,子どもたちが日本語を使う時間を,保護者の方が意図的に設けてみることが大切です。その際に留意していただきたいことは,家庭では断片的な言葉でも意思の疎通が可能であるために,豊富な表現や語彙を必要としなくても済む場合が多いということです。例えば,家族での食事の時間に,お子様がその日の出来事を話すようすることにします。その時,聞き役の保護者の方には,お子様の学年にあわせて,以下のことを意識して聞いてほしいと思います。

【小学校1・2年生】・・・相手に応じ,経験した事などについて,事柄の順序を考えながら話しているか。

【小学校3・4年生】・・・相手や目的に応じ,調べた事などについて,筋道を立てて話しているか。

【小学校5・6年生】・・・目的や意図に応じ,考えた事や伝えたい事などを的確に話しているか。

これは,文部科学省が定めた学習指導要領の小学校国語の「話すこと」に関する学年の目標です。  5・6年生の項目は,食事の場面では重すぎるかもしれませんが,4年生までの項目だけでも参考にしていただければと思います。保護者の方が,「ふーんそうなんだ。だれが,どこで,どうなったの?」などと,会話に参加しながら,お子様の会話をふくらませてあげると,さらに会話が弾み,その中で,ちょっと難しい表現や語句を教えてあげると,お子様は無意識の中で日本語の世界を広げていくのではないでしょうか。

お子様にとって,あさひ学園とご家庭は,日本語力を保持し,国語の学習を前進するために必要な車の両輪です。週1日の補習授業校であるあさひ学園での授業と,日本語環境が整ったご家庭での生活や家庭学習の効果によって,めざす目標が達成できることと確信しております。どうぞ,よろしくお願いします。 

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